物事が首尾よく進む確率

本日を最終出社日とし、9月末付でリクルートホールディングスを退職いたします。
在職中は社内外問わず多くの方に大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

約一年半の短期間でしたが、力の及ぶ限り、スタートアップと大企業の「まだ、ここにない、出会い」を実現すべく、投資・M&A・事業開発に邁進してまいりました。実った案件もあれば、実らなかった案件もありました。ただ、トラブルのない投資案件はなかった。

この仕事で学んだ最大の教訓は、「物事が首尾よく進む確率は限りなくゼロに近いのではない。ゼロである」ということです。ですから私は、「計画」という言葉を、「方針」と読み替える習慣を取り入れる可能性について真剣に考えざるを得ませんでした。

ちなみに、前職・メドレー社での仕事で得た最大の教訓は、「機が熟すことはない」ということでした。

どんな物事も、社会が変化するなかで万全のタイミングは永遠に訪れません。「あと2年くらい今の仕事を続けたら」とか「もう100万円くらい貯金ができたら」とか、「半年くらいゆっくり羽を伸ばしてから」といった架空の条件をあれこれ考えている時期こそが、実は物事を始めるベストなタイミングである、という便利なヒューリスティックです。

「もう少し値上がりしたらこの株(やビットコインやイーサリウム)を売ろう」と思った、まさにその時に売るべきなのです。「もうちょっと調査してからプロダクトを作り始めよう」と誰かが言い出したら、早速プロダクトを作り始めましょう。「もう少ししたら」を、意識的かつ機械的に「それなら今すぐに」と翻訳する作業をすれば、だいたい正しい判断になります。

・機が熟すことはない
・物事が首尾よく進む確率はゼロである

という2点から演繹すれば、結局、「そう遠くない将来、物事をだいたい正しい方向に進められると思うなら、待つことなく実行する」がベストな行動原理であろうと思われました。

そういうわけで、10月からは、自身が創業したスタートアップであるグラファー社のCEO業務に集中いたします。

Graffer, Inc. – https://graffer.jp

面倒で煩雑な許認可、届出、補助金などの行政手続きを分かりやすく容易に実行できるクラウドサービスの開発を進めております。
言葉にするとシンプルなのですが、作るのはとても難しそうに思えたので、創業しました。

難しい問題にシンプルな解決を与えるのが好きなエンジニアやUXデザイナーの方は、ご参画を検討していただきたいです。

なお、グラファー社は既にインキュベイトファンドより出資を受けておりますが、もはや申し訳なくなるほどいろいろな業務を代わりにやってもらっていたりと頭が上がりません。

引き続き、よろしくお願いいたします。